The story of "LIFE"

第 06 章「使命」
第 03 節「総力戦」

第 21 話
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ヱイユが取り次いでくれた通り、翌朝8時にソマと、ヤエら5人が旧リザブーグ大使館にやってきた。

隊員よりも早く起き出した部隊長たちはスヰフォスの部屋に集まり、ナズテインとレンガーは外へ迎えに出た。

四角に配置された長机を囲み、会議が始まる。

ヤエが発言した。
「サウォーヌは全面的にLIFE騎士団の皆さんとご一緒できることになりました。
資金はアミュ=ロヴァから出ています。」

彼らは公的機関ではないが、国からの依頼で活動することが多い。

「では我々の動きをお話します。」

昨夜の会議の内容を、スヰフォスに代わってナズテインが説明した。
サウォーヌは第九部隊と行動を共にしてくれるらしい。

スヰフォスから意向を聞かれて、ソマが答える。

「イル=デュゴスの件があってから、市民の中に、LIFEを学んで戦いたいという人が大勢、現れました。
私は彼らに魔法を教えたり、戦闘の演習をしたり、体力トレーニングなどもしたいと思います。」

シェブロンの顔も知らない人々ではあるが、新しい弟子を育成するのが、当面はソマの役目となる。
必要な機材を大使館の中へ運び込むことで対応できそうだ。

これで全員の動きが決まった。

ナズテインは隊員に手伝ってもらい、一枚の「旗」を広げて皆に見せた。

緑の地に、生命の尊厳性を表す“光の珠”が描かれ、胸部の抽象形である「ハート」、更に盾に収められた剣、それらの周りに16種類の全魔法文字が円形に配置されている。

「素晴らしいわ!
これを目印に、味方を増やし、LIFEの戦術を拡大していくのね。」

各々、出発は午前10時頃になりそうだ。
テビマワ周辺の配備も、馬を借りて正午になってしまうだろう。

振り返ってみると、ヱイユが会議の時間を「朝8時」としたことは、前夜と今朝方に行われた、アミュ=ロヴァ軍の無謀な奇襲作戦に、LIFEの同志たちを巻き込ませないための守護だったのではないか。

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