The story of "LIFE"
第 07 章「展転(てんでん)」の詩
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長く続いた苦しみが
時機を得て好転するように
生まれ持った根深い宿業というものもまた
善の方向へ、幸の方向へ
必ず転じていくことができる

そのためには
善に生きることと
幸に到達することを
自分で断念してはならない

周囲に、
断念した人がいかに多くて
そちらの方が楽に思えることが
あったとしても
“生命”の可能性を
自ら閉ざす以上の不幸はないからだ

希望に生きる人間と人間が
互いに励まし合って進む時
過去世から続いた苦しみのループを
抜け出す大きな力が発現する

しかしながら
励まし合った友情も
いつか向上心の減速によって
衰え、色褪せ、
停滞していってしまう

では、人はなぜ、向上をやめるのか

それは永遠性のある目標を持たないからだ
動物としての一生に帰結してしまうからだ

人間は
動物のままでいる限り
人間自身の問題を解決できない

人間は
本物の信仰を取り戻すべきだ

氾濫する、偽善の信仰など、
眼中に置かず
ただ本物を!
文学の中、書物の中に
厳然と存在する
生き続けている、
古来変わることのない
普遍性を!
古今の本物と本物だけが共鳴し合う
真実への探求を!
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