The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 05 節「獅子王の会座(えざ)」

第 43 話
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森の上空を埋め尽くしていた竜族も、天敵である迦楼羅(かるら)に遭って皆餌食となった。

巨鳥は夢中で捕らえては飲み込んだため、満腹と疲れで眠りに落ちてゆく。

「長老の木」へ降り立つところでヱイユの魔法陣に収容されて消えた。

雷雲も去り、打って変わって不気味なほどの静けさが訪れた。

ヤコハ=ディ=サホの全体を燃え立たせていた黒紫色の炎も数が減ったように思われる。
竜族と一部の悪魔たちが倒されたためだろうか。

時折響いていた笑い声も聞かれない。

今は双方とも戦うつもりはないのだ。

ヱイユは全回の状態で戦闘に入ったものの、眠気と著しい消耗を覚えて、自らゆっくりと「長老の木」へ降りていった。

緑色のエネルギーが優しく、温かく包んでくれる。

敵の動向は?
次の出方は?

朝になったら攻撃を仕掛けるのか?

それとも監視し続けて魔群をオルブームから帰さぬよう手を回すか。

いけない、どうしても休息が必要らしい・・・。

何時間眠るのか。

その間、敵は動かないと言えるだろうか。

そうだ、ヒユルは・・・?

「長老の木」の枝に抱かれ、灰竜アーダに抱かれて、ヱイユは再び休眠に入った。

耳はよく聞こえているのに、まるで水の中にいるような音がする。

タフツァの駆けていく姿。
ソマが高らかに笑っている。

ノイの向こうに見えるのは・・・??

森を抜け出そうと、きょろきょろ周囲を見回しながら歩いていく後ろ姿はヒユルではないか。

なぜだ、まだ起きられない。
しかし、脳裏に映る光景は、どれをとっても彼の精神を休ませてはくれなかった・・・。

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