第 13 章「革命機関紙」
第 02 節「あとがき」
生命と宇宙の様相は常に、成・住・壊・空を繰り返し、人は観じて諸行無常と詠じる。
それでも生まれ合わせ巡り逢った一時の、成の奇跡、住の歓喜を、永遠ならしめることが、実に私たちには可能なのである。
和合という、建設の息吹に満ちた万人の宝を、次代へ、子孫末代へ必ず伝える、残す、託さずにおかない、この一念を決定(けつじょう)させ、皆の心を一致団結させるからだ。
これを先達は常楽我浄と遺訓された。
先んじて一人立つ上行、無量無辺の衆に結縁せしめる無辺行、常楽我浄の浄行、そして万代に決定(けつじょう)せしめる安立(あんりゅう)行の四上首に導かれ、私たちは畏れなく厳然と進む。
だから私は、私の時代に現じた、かけがえのない成の奇跡、住の歓喜と躍動を、この一編の物語に書き留めることにした。
同時代を生きた人々が深刻に悩み苦しむ無数の異の苦を、我が身にも受けながら、一個の責任として人間社会建設に身を投じる。
その最前線に常在し、現実の中で日々、月々、年々、“LIFE”を描き現しながら、時に架空の異世界『アズライマ』を謳う詩人となって紡ぎ上げた、一人の人間精神の史実と言ってよいだろう。
“LIFE”とは、未来に亘り、彼とその呼び掛けに呼応する仲間たちとが紡ぎ出す、悠久にして永遠の物語であるからだ。
2019 年 2 月 22 日 (金)
仕事帰りの京浜東北線車内にて