The story of "LIFE"

第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 05 節「妙法広布の大願」

第 09 話
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サザナイアはどうしたか。

ザンダ=ゼオヌールが暮らす宮殿に近い旧ジ=ヅール堰で、剣と剣の激しい応酬を繰り広げる騎士の姿があった。

ガツン、ガツンとぶつかり合う剣が、心持ち一方へ押されている。

防いで打って出ようにも、防ぎきれずに弾き飛ばされる。

跳び退(すさ)って足で踏ん張った所に、更なる強撃を受ける。

カーン、と剣が飛ばされる。

「覚悟ッ!」

慌てて引き抜いた短刀と盾で受けようとしたが、盾は割れ、短刀までも打ち飛ばされてしまった。

負かされたのはルビレム、討ち取ったのはサザナイアである。

腰を着いたルビレムを懐抱するようにサザナイアが抱きついた。

「待て、何を・・・!?」

どんなに強いと言っても乙女のすることだ。

二人は結婚を約し合っていた。

「・・・大丈夫?
ケガはない・・・??」

手首を痛めていたが、それは日常茶飯事だった。

手甲を外し、傷をじっと見ると、サザナイアが口を付けた。

「じきに治る、やめたほうがいい・・・。」
「いいの。」

そして自ら口を拭き取り、ルビレムの手に包帯を巻いた。

「大袈裟だ、包帯など皆が心配するだろう。」
「私にやられたって言えばいいじゃない。」

ドガァの妻アームルにも劣らない雌獅子ぶりだ。

すでに周知の間柄であり、連れ立って歩くことを憚(はばか)る必要はなかった。

将来、かつての旅仲間が住むことになるロマアヤで、サザナイアはこの頃から生活するようになっていた。

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