第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 05 節「妙法広布の大願」
レボーヌ=ソォラに“人間教育”の始まりを告げる鐘が高く鳴り響く。
友人たちと外で昼食を楽しんでいた学生たち生徒たちが、嬉々として学舎に集ってくる。
カーサ=ゴ=スーダや、モアブルグ、ルモアなどの周辺地域、遠くリザブーグやメレナティレ、ロマアヤからもセトからも留学生が門をくぐった。
オルブームの若者で、学問を求める者は、メレナティレに行って機械工学を学ぶか、大セト人道国へ渡り、アカデメイア=シャムヒィに入学した。
後年、ロマアヤ大学も授業を再開させることになる。
そこには卒業生の一人・アルベク市長の熱意があり、ザンダをはじめロマアヤの民の熱願があった。
アンバスはルアーズと結ばれてメレナティレに住み、技師として働いた後、若き日の念願が叶って、学生としてではなく工学博士として教壇に立つ日を迎えることができた。
これを機に、ルアーズも再びロマアヤに渡ることになったのだ。
一家は拳法に秀でた息子、算術に長けた娘とともに、イデーリア両国の発展に貢献した。