The story of "LIFE"

第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 05 節「妙法広布の大願」

第 07 話
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赤ん坊の泣き声がする。

腕(かいな)に抱いて頬を寄せるのはソマである。

彼女は一子を授かり、出産したばかりだった。

その声を聞くと、思わず剣を置いて戻ってくる、新米の父がヱイユだ。

「どうした!?
具合が悪いのか??」

顔を上げたソマは、かつて見せたことのない穏やかな表情で、はじけるような光輝に包まれていた。

「おなかがすいただけよ。」

するとヱイユは急に顔を赤らめて、授乳の邪魔になるまいと、また外へ出ていった。

剣士ルクトは背が高くなって、ますますツィクターに似てきた。

素振りだけでは稽古にならない。
今の彼には手本となるヱイユの存在が必要だった。

はにかんで見ていたリーシャが、思わず声を上げて笑った。

「ほんとにそっくりね、私たち、生まれ変わったんだわ。」

ルクトはリーシャを大切に思っていた。
だから交際しようというのではなく、今は剣の腕を磨きたかった。

こうした異性観のすれ違いは、同い年で交際に至るのは難しいのだが、リーシャのほうが幼いので釣り合いが取れていると言える。

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