第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 05 節「妙法広布の大願」
ヤエから連絡を受けたナズテインは、旧六芒星の頂点を守護している各部隊に通信し、周辺で不穏な動きがないか調査にあたらせた。
すると、賭博場を営んで収益を上げている富豪たちの存在が明らかになった。
スヰフォスは言う。
「悪魔結社マーラの資金源も賭博場だったのかもしれない。
各国に伝えて規制を強化しよう。」
自由市国ミルゼオ、教育都市国レボーヌ=ソォラ、統一ワイエン列島国、そして生まれ変わった大セト人道国も、大量破壊兵器の製造・売買を禁止して、資金源となる賭博場の規制を開始した。
多国間連携により、複数の逮捕者を出した賭博場は順次閉鎖されていき、更に捜査は裏社会まで及んだ。
すると資金源は賭博だけでなく、違法・脱法ドラッグ、覚醒剤の取引によることも分かった。
各国は再度連携し、違法薬物の取り締まりを徹底することで合意したのである。
また人身売買、女性の身売りによって不法収入を得ていた業者らも一斉摘発、起訴された。
一連の闇業者らは、悪魔の眷属として社会に害悪と憎悪をばらまいてきたのだ。
“LIFE”を願う人々は、互いに連携することで、人の不幸を食い物にする邪悪な意思、及び思想を悉(ことごと)く粉砕していった。
大量破壊兵器の原料となる「放射性物質」は買い手を失って、鉱山は一つまた一つと閉鎖されるに至った。