第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 04 節「元品(がんぽん)の無明(むみょう)」
元品の無明を退治するにはどうすればいいのだろうか。
唯一、“LIFE”を強めることだ。
共存と共生を願い行動する人間を育てることだ。
人類共通の敵である“エゴイズム”を、万人に認識させ、なぜそれが悪であるかを教え、万人が立ち向かう勇気を奮い起こしていくのだ。
自己のエゴイズムに敗北することは恥ずかしいことである、情けないことであるという包囲網を、大小の社会に、グローバルに、張り巡らして同胞を守るべきだ。
未だ光を見ない、不当な支配下に置かれる人もいるだろう。
エゴイズムが正当化され、公然と行使される社会に生きる人もいるだろう。
その闇に、無明(むみょう)に斬り込んで、「何をやっているんだ」「だから上手くいかないんだ」と、現実の証拠を突き付けて呵責し、苦しめて、撤回させる必要がある。
敗北に追い込みさせすれば良い場合もあろう。
自信をなくさせ、あきらめさせれば災難が止む場合もあるかもしれない。
だが、それで終わらないのが“LIFE”である。
失意で自暴自棄になることもまた、元品の無明の現れであり、エゴイズムに敗北した姿そのものだからだ。
自己への敗北者は、必ず周囲を巻き込んで不幸を拡大する。
また、現実逃避的に死を迎えたとしても、何が間違っていたのか、どうすれば良かったのか、嫌というほど分からせなければ意味がない。
生命を奪って治罰する以上に、一層峻厳な“LIFE”の現罰を終生に亘って受け切らせるべきである。
世に蔓延する諸悪を白日の下に晒し出し、断罪するためにこそ、万人が自己の闇と戦って最後には勝利を掴むべきだ。
ひいては社会の闇、他者の誤りをも正していく生き方が求められているのである。