第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 03 節「諸余怨敵皆悉摧滅」
屋上では、少女ユッカがリーシャを支え、モモルが布陣していた。
「しっかりして!
わたしたちでムヴィアの使命を果たすのよ!!」
「う、うん!
・・・ありがとう!!」
上空はフィヲとエナの力で“LIFE”に満たされている。
その天と地の二つの方陣が、互いに威光勢力を強め合いながら共鳴を始めていた。
想定外の出来事である。
七色のエネルギーが渦巻く屋上へ出たタフツァは、現象のあまりの美しさに立ち尽くした。
ヤエも、無意識に涙を流した。
「八葉蓮華の妙法が、現実に発動した。
・・・夢のようだ、ラオンジーウ先生の夢、シェブロン先生の夢、僕が追い求めてきた夢が、ついに現実となった・・・!!」
スヰフォス学師、警備長ワヌアスも見た。
冷静なナズテインも感銘を受けていた。
ルオミアもシスキュスも泣いた。
ハッボス、ムーモラの部隊は歓呼の声を上げた。
ウタックとドリュフォスは煙草を吸いながら空を見上げていた。
「ツィクターよ、ついにやったな。
お前が言ってた通りに、息子が世界を変えたぞ!」
地に堕ちる黒翼の大群は、ドシン、ドシンと音を立て、地面を揺らした。
しかしその上からは、美しい無数のマンダラカの花が降り注ぎ、地上を、天上を妙法の歓喜で満たしていく。
こうして“LIFE”広令(こうりょう)の機は成り、生命という生命は、待ちに待った“その時”を間近に感じて戦慄していた。