第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 03 節「諸余怨敵皆悉摧滅」
フィヲが“LIFE”の魔法陣に天竜八部衆を召喚すると、リザブーグ城の屋上階は類例のない聖なる力に充満された。
赤の竜にベーミラ。
橙の竜にザンダ。
黄の竜にソマ。
緑の竜にユナーファ。
碧の竜にサザナイア。
青の竜にズンナーク。
紫の竜にアンバス。
そして桃の竜はフィヲ自身が操る。
「この全員でまず布陣を。
敵の大半は死滅するはずだ。
残った敵も弱っているだろう。
そこを根こそぎ討ち取る。」
ファラは先手必勝のスピード決戦を期している。
「俺がフリーで援護する。」
ヱイユは空中戦だ。
「私は七虹龍の背中で戦わせてもらうね。」
ルアーズがファラとフィヲを護る。
「エナちゃん、わたしのレナフィーに乗って!」
「う、うん!!」
身の軽い少女エナをフィヲが護る。
「私と先生でヨムニフを倒します。」
護衛騎士ノイもまた、壮絶な覚悟で挑もうとしていた。
「ぼくがテンギを引き受けます。
仲間に指一本触れさせない!」
主戦場はヨムニフとテンギの連携が危ぶまれる。
そこを分断しなければならない。
「師ラオンジーウの名において、“LIFE”破壊工作を繰り返した悪逆の元門弟を誅滅する。
破法、破和合の重罪によって、必ず厳しい現証をその一身に受けることとなる。」
シェブロンは、たくましく立派に育った弟子たちに護られて、悲壮な表情がなくなり、晴れ晴れと決戦に臨めることを心から感謝した。