第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 02 節「千界の破壊神」
「では明日の正午に宣戦布告の後、決行しようじゃないか。」
奇襲作戦も良かろう。
圧倒的な力で壊滅を図る方法もある。
しかし決戦には正々堂々、敵の悪事を打ち砕く道を選んだ。
弟子が考案した作戦の、実行方法を師が決断したのである。
他方の魔宮では、テンギが実権を握りつつあった。
操者ホッシュタスが倒されたため、まるで鋼鉄の鎖を断ち切った猛獣の如きである。
彼は畏れを成すグルゴス帝を歯牙にもかけず、自らの眷属を召喚した。
すなわち殺鬼ムッガ、滅鬼ルワラ、失鬼イムゾ、亡鬼オゴス、乱鬼ヅッタ、狂鬼オボドである。
テンギの分身とも言える、凶暴かつ凶悪な殺戮者たちは、「鬼神六芒将」と呼ばれていた。
そしてテンギ自身は「千界の破壊神」を名乗った。
「千界」とは、悪世に生まれて全世界まで“LIFE”を広めるという無数の行者たちを指している。
つまり彼は、LIFEを破壊することに戦う目的を定めたのである。