The story of "LIFE"

第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 01 節「師敵対を弔(いぐる)む」

第 17 話
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雷電の如き速さが青紫の渦を破ると、剣打はマーフェリンの頭部を直撃した。
そのまま腕の力で跳ね飛ばす。

術士がバランスを失って転げ飛んだ。

すると、あちらこちらの地面がざわつき、土が割れて広がっていった。

地中から野犬の骨が暴れ出すと、即座に妖狐ラナシーヴに食い倒される。

まだ肉や臓器を残したゾンビが起き上がると、怪狼ヴィスクの疾走に遭ってバッタバッタと転倒し、土に還される。

悪魔の骨が立ち上がると、大蛇シラルルに噛み砕かれる、振り回される、叩き付けられる。

“LIFE”の魔法陣が浮かび、マーフェリンの断末魔が響いたが、うるさいのでヴィスクのパティモヌ(水)を使い口を塞(ふさ)いだ。

フィヲを振り返ると、調子に乗ったフィフノスが襲いかかろうとし、その後方の木に隠れたホッシュタスの姿も見えた。

少女の魔法杖で横転させられるフィフノスの横を、一角馬モゼイラの背に乗って駆け抜けるファラ、あわてふためくホッシュタス。

その角で容赦なく顎下(あごした)を突き上げられたホッシュタスは、振り払われて飛ばされ、木の枝に吊り下がってしまった。

「お前はここで最後だ!」

モゼイラが跳ね、ファラが背を借りて、斜め下から斬り上げる。

バツの字を描く。
そして十文字斬りだ。

正八角形に斬られたホッシュタスの体に“LIFE”の魔法陣が刻まれ、元々声を出さない術士の憐れな呻(うめ)き声が漏れた。

引っ掛かった枝が折れても逃がさない。
攻撃型ロニネの輪で捕縄して、宙に浮かせる。

樹上に立った後、ホッシュタスの背のど真ん中へ、渾身の強突を捩(ね)じ込んだ。

画竜点睛のゼエウ(空)が刻まれると、悪逆を尽くした術士は地面まで叩き落とされて、バタンと天を仰いだまま、全く動かなかった。

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