第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 01 節「師敵対を弔(いぐる)む」
ファラは強い語気で述べた。
「『滅尽砲』を標的とした、武器破壊作戦を展開したいと思います。
どんな理由でも、大量破壊兵器の使用を許してはなりません。
ぼくとフィヲで行かせてください。」
よほどの魔力を消耗することになるだろう。
「ファラ君、タフツァ君と交代して、フィフノスと決着してもらいたい。
いつもの君らしい戦い方でいい。
兵器の破壊は、タフツァ君に頼もう。」
巨大隕石を空中バリアで受け止め、地表に触れさせることなく消し去った、大魔法力の持ち主だ。
核融合を止められるほどの力があるとすれば彼だろう。
「万が一、砲撃を受けるようなことがあったら、フィヲとともに脱出してほしい。」
つまりは、騎士団を砦から撤退させ、ファラとフィヲだけでフィフノスと戦うということだ。
「わかりました、ぼくにも『ロニネ』があります。
フィヲのことは必ずぼくが守ります。」
「いいか、君自身も敵に破れるようなことがあってはならないぞ。
邪悪なる策謀の一切を失敗に終わらせるのだ。」
「はい、そうしてまいります!!」
アンデッドも一手に引き受けなければなるまい。
しかし、多数を相手取ることは彼の得意とするところである。