第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 01 節「師敵対を弔(いぐる)む」
タフツァ一人の悪夢に終わることなく、少女エナもフォレストリザブルグの砦に対する核攻撃を察知していた。
七虹龍ギロス=モルゾムが語ったところによると、「天宮魔神殿」の浮遊装置・中央部に「滅尽砲」と呼ばれる大量破壊兵器が搭載されており、その準備は着々と進んでいるという。
エナはすぐノイに知らせ、シェブロンにも話した。
「地上を焼き尽くす殺戮兵器か。
反“LIFE”の最たるものだ。
核燃料をどこで生成しているのか。」
決戦を控え、綿密な協議のため獅子王の座にいたファラが、思い当たることを話した。
「オルブーム大陸ランラ族領の北端に、最果ての群島を見ました。
小島にドームを張って、中で生活しているようです。」
「闡提嶼(せんだいしょ)だな。
退去させるにはどうしたものか。」
黒ローブ、黒騎士との戦いも、いずれは終止符を打つ日が来よう。
彼らといえど内なる“LIFE”にはたらきかけ続ければ、いつか悪は破れ、善が目覚めることを、私たちは疑ってはならない。
ならば何を以って戦い、勝利するべきか。
必然的に、一度は剣を交えることになるのではないか。