The story of "LIFE"

第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 01 節「師敵対を弔(いぐる)む」

第 11 話
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久しく村の生活を送っていたソマは、朝から髪を結い、前掛け魔導着の腰紐を締めてブーツをはいた。

愛用の杖を手にして鏡に向かうと、後ろで少女メユウがはにかんで微笑していた。

「おねえちゃん、かっこいい・・・。」
「えっ!?
これは魔法使いの装備よ。
メユウ、魔法のお稽古しててね。」
「はーい!」

あれから二日間、リーシャは眠り続けた。
「キュキュラ(総力)」を超える消耗だったに違いない。
ソマもヱイユも、自らの魔力を与えて回復を祈った。

目を覚ました少女は言った。

「わたし、どうしたのかしら。
夢を見たの。
魔法を使う夢・・・。」
「夢じゃないわ、本当にすごい魔力だった。」
「まりょく?
・・・わたしは、そんな・・・。」

ヱイユは内心、気付いていた。
リーシャから魔力が失われているようなのだ。

「おなかがすいているだろう。
よく食べて、よく休むのがいい。」
「スープとパン、ある?」
「ええ、持ってくるね。」

ヱイユと二人になった時、リーシャは囁(ささや)くように言った。

「八匹の竜が、魔宮に導いてくれるでしょう。
今度も外護(げご)を、お願いしていいですか?」

彼はハッとして、少女とよく似たムヴィアに応えた。

「分かりました、必ず“LIFE”を護り抜きます。」

あとは微笑むだけで、少女は何も言わなかった。

それから十日ほど経った頃か。

リザブーグのファラから、召集の手紙が届いた。
運び手は黄色の小竜だ。

『ソマさん、今度は攻勢をかけたいと思います。
ご無理でなければ、どうかお力をお貸しください。
お迎えをご用意します。』

彼女はヱイユではなく自分を呼んでくれたことが嬉しかった。
こうした場合、今でも二人はライバルなのである。

すぐに返事を書き送る。

『ファラ君、もちろん行くわ。
まだ村が手薄なので、ヱイユ君には留守番してもらう。』

黄色の竜は手紙を受け取ると、白竜レナフィーにテレパシーを送った。

そして落ちていた棒を口にくわえ、地面に数字を書いた。
出発の日付だ。

「わかったわ、この日の朝、リザブーグへ向けて発ちましょう。」

黄色の竜は小型のまま当日までソマの元に留まり、朝、大型化して、彼女を背に乗せたのだった。

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