第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 01 節「師敵対を弔(いぐる)む」
「ファラ君、最も多くの敵と会戦し、手の内を知るのは君とフィヲだろう。
攻勢において、弟子の戦いの一切を引き受けてもらえないか?」
「もちろんです!
力が漲(みなぎ)るようです!!」
彼は不思議と、シェブロンの信頼に最も力を得る性質があった。
それは初めてLIFEの戦いに加わった、フスカ港の作戦以来だ。
会議が全体から個別へ移ると、ファラは真っ先にナズテインと話した。
「防衛から捕縛作戦を展開しますか?」
「はい。
先程シェブロン先生が示された原則に立って護り、かつ攻めにも転じるLIFE騎士でありたいと考えます。」
「ウィロさんに、レヂョウさんの捕縛部隊へ編入いただきたいです。」
「分かりました、共に戦わせていただきます。」
円卓上に“LIFE”の究極魔法陣を描き、対応する色の天龍八部衆を召喚しながらフィヲが瞑想している。
「・・・レナフィー、よく聞いて。
みんなの背中に仲間が乗れる座席を着けたいの。
振り落とさないで戦える?」
ピンクの鬣(たてがみ)を持つ白い雌竜はいなないた。
「・・・いい仔ね。
防具屋さんに特注しましょう。
あとは、リール!」
パタパタと小竜リールが飛んでフィヲの肩にとまった。
「各地の仲間をつないでくれてありがとう!
魔神殿に行くメンバーを集めてほしいの。」
リールも元気いっぱいに啼(な)き声を上げて応えた。
続いて人選が話し合われた。
作戦はリザブーグ周辺にとどまらず各国各地へと巡らされていく。