The story of "LIFE"

第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 01 節「師敵対を弔(いぐる)む」

第 03 話
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ファラが目を開けた時、そこはリザブーグ城ではなかった。

力を使い果たして眠ったまま、彼にしがみついているフィヲは、実に可愛らしい。

「・・・どこだ、ここは。」

思い出した。
ノースイーストタウン。
フィヲとメレナティレから帰還して、初めて二人で外出した場所だ。

「ファラくん・・・。」

こう呼んでぎゅっと掴んだが、フィヲはまだ眠っていた。

頬が濡れている。

本当はフィヲも疲れていて、たまにはファラとゆっくり休みたい。

そんな気持ちの表れだろうか。

昼前の街路は不思議なくらい人通りがなくて、優しい風が吹き抜けていった。

「フィヲ・・・、着いたよ、ありがとう。」

瑞々しい頬に、そっと口付けた瞬間、彼女は目を開いた。

「わあっ、おはよう。」
「あ、ごめん、つい・・・。」
「ううん、わたしこそ、ありがとう!」

涼しい日陰の街路に日が差し込み、往来の人の姿が見え始めた。

まるでフィヲが、しばし二人きりの時間を作るため、時を止めていたようにも感じられた。

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