第 12 章「八葉蓮華の妙法」
第 01 節「師敵対を弔(いぐる)む」
不世出の“LIFE”の師ラオンジーウの肖像に向かい、しっかりとその目を見て、シェブロンは重大な決心を固めていた。
ついに扉が開かれた魔の根城「天宮魔神殿」へ自ら赴き、反逆の徒ヨムニフを討ち滅ぼす。
かつてケプカスと名乗り、ザンダを言葉巧みに誘い入れて亡きものにしようとした男。
弟子のタフツァが見事に破り、大切な弟弟子を助け出してくれた。
今回、各地で善戦して“LIFE”の勝利を打ち立てられたからよかったが、最悪の刺客を差し向けたのは他ならぬヨムニフだ。
最も法力に優れるファラとフィヲに委ねて戦うか。
否、たとえ弟子たちが力においてヨムニフを討伐できたとしても、シェブロン自ら決着しなければ意味がない。
これは師ラオンジーウと弟子シェブロンが共に果たすべき戦いだった。
決戦のチャンスは過去にもあった。
しかし、幼いヱイユを楯に取られ、苦心して集め育てたLIFEが壊滅的な打撃を受けることになってしまった。
再び巡り来た対決に、どんな卑怯な手段を使われるか分からない。
その全てを打ち破って、シェブロンが勝たねばならないのだ。
一人赴いて術中に落ち、師直系の生命を失うことは敗北である。
ならば、最強無比の布陣で必勝を期すべきだ。