The story of "LIFE"

第 11 章「究極の魔法」
第 07 節「ルング=ダ=エフサ」

第 06 話
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洞窟の入口に首を突っ込んで、村人を捕食しようとする黒龍がいる。

少年剣士ルオが剣で突く、押し返される。

少女エナが叫ぶ。

「ルオ!
“LIFE”よ。
練習してたじゃない!!」
「よぉぉぉーーーし!!」

ガツンと、頭部に打撃が入り、七色の虹がはじけた。
ドラゴンは洞窟から首を出し、よろけて後ろに倒れた。

「上手!」
「できたッ!!」

二人は外の様子を見た。
子供の目にも、ノイや衛兵だけで手に負える数ではない。

「ねえルオ。
私が外の地面に魔法陣を描く間、竜が来たら今みたいにやっつけて!」
「わかった!!」

エナが走って洞窟の外にある砂地に到る。
急いで、それでも丁寧に、魔法の文字を書いていく。

外側の虹が架かる時、竜族の急襲があった。

「・・・テダン!!」

空を黒く覆った竜をも射ち貫いて、迸(ほとばし)った雷電が攻め手を裁き倒す。

駆け出しかけたルオが驚いて立ち竦(すく)む。

「こっち、円の中よ!!」

呼ばれるままに、ルオも魔法陣の内側に退避した。

次の攻め手が外円に触れた時、七色の光の帯が筒上に走って撃退した。

「インツァラ!」

群がり集った竜たちが爆風に見舞われる。

「グルガ!」

老齢の竜がバタバタと倒れ、その生を終えた。

「ロニネ!」

地上に半球状のバリアが張られ、拡張して、一帯の竜族を空まで悉(ことごと)く退けた。


「ゾー!」

空を覆った竜族が、雨のように、小隕石のように、数多(あまた)と落とされ、地面を砕いた。

「テティムル!」

現象を伴う発動によって魔力を消耗していたエナに、大地から、海から、倒れた竜族から、奔流のようにエネルギーが注がれ、満たされた。

「ドファー!」

舞い降りる竜たちが黒い点のように小さくなった。
よく見ると、それは蝿(はえ)だった。

ようやく、群を率いて来た黒龍王ギロス=モルゾムが降臨し、ヒトの言葉を放った。

『よくも、小娘!
何者だ!?』

しかしひたむきな少女は詠唱と布陣を止めない。

「メゼアラム!!」

忽(たちま)ちに黒龍王は捕らえられ、今度は七色の光を帯びて放ち返された。

エナの召喚となったギロス=モルゾムは、眷属に退却を命じているが、殺到して、従いたくても従えない群が残っていた。

「トゥウィフ!!」

凡(およ)そ人が起こし得る、最大級の衝撃波が、竜族の大群をまとめて押し退(の)け、崩落させ、壊乱して、もはや島の上空には竜がいなくなった。

同時に、少女エナの“LIFE”が完成した。

ルング=ダ=エフサは、そして世界は七色の光に包まれ、戦い傷付いた者を癒し、害する者を呵責していった。

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