第 11 章「究極の魔法」
第 07 節「ルング=ダ=エフサ」
ルング=ダ=エフサ上空では、魔法が効力を失ってしまうことから、合成獣の類(たぐい)は飛来しない。
しかし竜族は増えた。
少女エナにも脅威と感じられたのだ。
学校から帰ると、まだ明るいので庭に出て、ノートを開いた。
ノウ婆がシェブロンの魔導書を板書で講義してくれたページである。
彼女自身の手による“LIFE”の魔法陣は、スペクトルを帯びて美しかった。
しばらくぼーっと、見入っては微笑んだ。
ハッ、と思い出したように、エナは周囲を見回す。
木の枝を見つけて拾った。
「家族とおうちを守らなくちゃ・・・!!」
こうして、夕暮れ時までかかり、自宅を囲う大きな“LIFE”の魔法陣が、いびつながらも描き上げられた。
それは正方向へ巡るように、キラン、キラン、と淡く七色の光を発していた。
エナはまた微笑んで、玄関の前でも振り返った。
「シェブロン先生!
“LIFE”って、本当に素晴らしいですね・・・!!」