The story of "LIFE"

第 11 章「究極の魔法」
第 06 節「ロマアヤ諸国連合」

第 03 話
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ロマアヤ公国の家老ムゾール=ディフは、建設されつつある宮殿を見て感涙に咽(むせ)んでいた。

先公ゼオヌールが理想としたのは、王城型の旧ロマアヤ城ではなく、国民が皆平等に集い合える「宮殿」だったからだ。

それは“LIFE”に説かれた、“崩れざる心の宮殿”を体現するものだった。

外敵から城内の王臣を守る城壁ではなく、豊かな心で隣国とも語り合う対話と憩いの場を意味している。

コダリヨンが剣を以って騎士ルビレムに“LIFE”を教えていた。

「さすがの太刀筋に“LIFE”を込められると剣で右に出る者はいないようだ。」
「ファラ殿やサザナイアさんには遠く及ばない。
彼らは剣で打つように見えて、心で打ちに行っている。
だから悪心が砕かれて味方に変わるんだ。」

セト国からロマアヤに降った兵士らも、今では解放されて土木事業に加わっていた。

ロマアヤの民と共に復興を遂げる力になりたいと願ったからだ。

「神出鬼没のゲリラ戦は見事だったが、これからはLIFE騎士団のような部隊を育てるといい。
わたしはあのように団結した組織を他に見たことがない。」
「LIFE騎士団・・・!?
そうだなロマアヤにも技と心を磨き高め合う機関がほしい。」
「元々魔法にも長けた民族だ。
近い将来は剣と魔法の力で世界を発展させる、ファラ殿のような『魔導騎士』輩出の国ともなるだろう。」

ルビレムの胸に、彼方の空で微笑み見守っている、温かいゼオヌール公、リュエンナ妃の顔(かんばせ)が頷いているように感じられた。

「人を募ろう。
名前は『LIFE魔導騎士団』とでもすれば、イデーリアの両国から幅広い人材が集い育つに違いない・・・!!」

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