The story of "LIFE"

第 11 章「究極の魔法」
第 05 節「レボーヌ=ソォラ」

第 05 話
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教壇に立って、ヤエは学生たちに訴えた。

「“LIFE”の魔法陣にもグルガが描かれている通り、人間生命には光もあれば闇もあります。
世界がグルガを中心に埋没してしまえば、人々は不幸です。
しかしこのように“法”を中心にしてグルガを正しく配置すれば、万人を幸せにすることかできるのです。
まだ“LIFE”が描かれていない、人間社会と生命の闇に、私たちが灯をともし、世界を明るく照らしていく存在になりたいと願います。」

場内が拍手に包まれる中、最後方の学生が叫んだ。

「先生、遠くに黒いヘビが見えます!」

騒然とする教室をヤエが駆けて外に出る。

レボーヌ=ソォラ中心部だろうか、山のような大蛇が首をもたげ、周囲を見渡していた。

「みんな、授業はここまでです!
各自、慌てずに帰宅して、“LIFE”の力で家族を守って!!」

ノートに写すことを忘れて聞き入っていた生徒たちが、黒板に描かれた魔法陣に近付いて文字を描き始めた。

早い者から荷物をまとめて席を立っていく。

ヤエは教室の受話器を取った。

サウォーヌ本部は誰もいないようだ。

モアブルグの巡査隊に電話をかける。
ノッグルが応答した。

『ヤエさん、ヘビの頭は一つではありません!
テビマワの牧場が襲われています。
ワーツとテヴァーンが撃退法を探っています。』
『お気をつけて!
本陣衛と連携して、テビマワの救援にあたります!』
『交代で電話の近くにいていただけると助かります。』
『わかりました!』

サウォーヌ本部を目指して駆けるヤエを、二頭目のヘビの赤く見開いた狂暴な目が睨み付けた。

口には大きな牛がくわえられ、噛み砕かれて飲み込まれてしまった。

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