第 11 章「究極の魔法」
第 05 節「レボーヌ=ソォラ」
モアブルグ巡査隊メンバーに“LIFE”を伝授すると、皆歓呼の声を上げた。
「こんなに素晴らしいシンボルは他にありません!
街の全員にお伝えしましょう。」
元々魔法に造詣が深いレボーヌ=ソォラの民である。
人という人が、その手で“LIFE”を発現させていく光景は未来の希望そのものだ。
自らの内なる輝きを知って、喜び舞い上がるような日々が始まった。
古都アミュ=ロヴァでも、実に多くの喜びがはじけていた。
彼らは自らの意志で根深かった権力の“魔性”と決別し、「教育都市国」への歩みを運んでいるのだ。
夢にも見た“LIFE”の実現が、まず自身の生命の上に成し遂げられていくのを感じて、生を受けたことに感謝した。
父母を大切にし、子孫を慈しみ、“LIFE”を教えた。
友人も、地域社会をも大切にするようになっていった。
このアミュ=ロヴァこそ、どこよりも早く「八葉蓮華の妙法」という表現を使うようになったのである。
実際に魔法陣を描き、現象の発動まで可能な彼らは、タフツァやソマのように立派なLIFEの術士になりたいと志した。
高齢の祖母が孫に語った。
「あなた、わたしの分もシェブロン先生にお仕えして、世界のために“LIFE”を広めていってちょうだい。
そうしたらどんなに素晴らしいアズライマ(星)になるでしょう。」
瞳を輝かせながら魔法陣を教えてくれる祖父母、父母を見て、子供たちはまだ分からなくても、きっと“LIFE”は素晴らしいものであるに違いないと知っていった。