The story of "LIFE"

第 11 章「究極の魔法」
第 04 節「ポートルモア」

第 07 話
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少年たちが駆けて来た。
最初に勝利を確信したルアーズが、満面の笑みを湛えて言った。

「“LIFE”の勝ちよ!!
街のみんなに伝えていきましょう。」

今回は敵を撃破できた。
だがルモアにも“LIFE”を息衝かせなければならない。

力が入り過ぎてキュキュラに近い発動をしてしまったアンバスは、ルアーズの声でクザムナリスが退散したことを知り、安堵に倒れ込んだ。

「ファラくん、ありがとう・・・。
僕の魔法では勝てなかった。
“LIFE”の力は本当に素晴らしいね・・・!!」

少年たちの元気な声が街路に、港に響き渡っている。
ここへ戻ってきてよかった、間に合ってよかったと、アンバスは何度も思った。

「・・・タフツァさん、ルモアを護ることができました。
何とお礼を言ったらいいか。」

我に帰って街を見渡すと、霊獣が起こした突風で、至るところが壊乱していた。

彼は故郷の人々と共に街を復旧する作業の中で、必ず“LIFE”のこと、旅の目的のことを話していこうと誓った。

そろそろ夕暮れだ。
傾いてきた陽に照らされて、アンバスはサザナイアと三人でロマアヤを旅したことも、ファラたちと出会ったことも、この日のためだったに違いないと思えてならなかった。

「僕の“LIFE”か、見事だったなあ・・・。
これと同じものを、実に全ての人が持っているとは。
だからシェブロン先生は生命を賭して、皆に『究極の魔法』を教えてこられたんだ。
先生、見ていてください。
ルモアの“LIFE”広布はきっと、僕がやり遂げてみせます・・・!!」

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