The story of "LIFE"

第 11 章「究極の魔法」
第 04 節「ポートルモア」

第 02 話
前へ 戻る 次へ

アンバスが実家に帰っている間、ルアーズはルモア港で情報収集にあたっていた。

「こんにちは、おかあさん。
変わったことはありますか?」

年配の女性に声をかける。

「気味が悪いの。
鳥じゃないものが飛んでいくのを、よく見るのよ。」
「そうですね、私もよく見ます。
以前、ザベラムに悪い魔法使いたちがいましたね。
彼らが呼び出した魔獣なのです。」
「ああ、やっぱり!
アミュ=ロヴァは怖い所だわ!!」
「お隣の国は心配いりません。
アミュ=ロヴァからは、悪い術士がいなくなりました。
代わりに、空からやってくるのです。
私たちLIFEがなんとかしますので、怖い時は建物の中に避難してください。」
「わかったわ、あなたならきっと、街を守ってくれるわね。」

次に彼女は、緊急時、共に戦ってくれる人はいないかと考えた。
この地に“LIFE”を息衝(いきづ)かせるのである。

街路に、木の棒を持って、兵士の真似事(まねごと)をしている少年たちがいた。
ミルゼオ国は他国と争わないため、軍隊を持たないが、自警団が街を守っているのだ。

「ねえ、みんな!
LIFE騎士団って、知ってる?」
「ああ、知ってる!」
「魔法使いが逃げてきた時、ルモアを守ってくれたんだ。」
「槍使いのマシンク部隊じゃないかしら?」
「そう!
オレたちも槍で強くなりたい!」

港町を守るには、剣で戦うよりも、槍で通行を止められるほうがいい。

「私はリザブーグの格闘家よ。
棍棒の型を教えてあげるから、槍術に活かして!」

少年たちの表情は明るくなり、わーっ、と歓声が上がった。

前へ 戻る 次へ
(c)1999-2024 Katsumasa Kawada.
All Rights Reserved.