第 11 章「究極の魔法」
第 03 節「ビレッジビオム」
ズシン、ズシンと、まるで無数の隕石が落ちるように、悪魔が、魔獣たちが、大地に向かって落とされた。
悪魔と悪魔が討ち合い、竜と竜が激しく戦った。
丘に降りてくる敵はいなくなった。
「リーシャ、あなたの体がもたないから、後は任せて!」
「平気よ、無限の力が湧いてくるの。
おねえちゃんの“LIFE”を見せてもらってから、ずっと。」
魔の大群は壊乱し、敗走する者も殺し合った。
まさに全滅である。
すでにリーシャは、空のただ一点を睨んでいた。
女悪魔ミュネフィ=リットワッドだ。
「わたしが相手よ、来なさい・・・!!」
「何を、・・・この小娘!!」
飛来するミュネフィに、リーシャが杖を振り上げた。
紫色のプラズマが垂直に走って、女悪魔の体を形成する物質という物質が凍りついた。
局所的、絶対零度からの反動だった。
地面にメゼアラムが描かれる。
急落下のゾーが発動する。
凍って抵抗できないまま、ミュネフィが大地に叩きつけられる。
その瞬間を魔法陣に捕らえる。
間際で召喚されたカコラシューユ=ニサーヤが牙を剥いて襲い掛かって来る。
「あなたの喚び手はもういない。
元の世界へ還りなさい・・・!!」
鮮やかな“LIFE”が現れると、ブロンドに輝く白いイタチは、激しく分裂して大気の塵となって消えた。
強力なアンチ・メゼアラム、アンチ・ドファーによって、実体を維持できなくなったのだ。
「これでいいのよ。
元々あんな生き物は存在しなかったのだから。」
そう言って、リーシャは振り返り、にっこりと笑った。