第 11 章「究極の魔法」
第 02 節「フォレストリザブルグ」
防衛拠点の周辺は騒然となっていた。
タフツァのバリアは有効で、敵が入り込むはずはない。
騎士たちをたじろがせたもの、それはフィフノスだ。
彼は全身を暗黒のスパークで纏(まと)い、皮膚を紫色に、目を真っ赤に吊り上げて、“LIFE”の魔法陣に逆らった。
最初、這うように動いたが、大声を発して暗黒を強化した。
そして歯を食い縛って唸り続けた。
両足で立ち上がり、火花を撒き散らしてLIFE騎士を害そうとする迫力と、魔力の凄まじさに、部隊長たちは交戦を禁じた。
ユナーファがクロスボウで魔法弾を撃ち込む。
“LIFE”の魔法陣がフィフノスを捕らえにかかる。
しかし悪魔結社マーラの棟梁は武器に込めた程度の魔法では倒れなかった。
苦しみを怒りのウォークライに変えて猛り狂うように暴れた。
騎士たちは距離を取り、じりじりと砦外へ押し出されていく。
シスキュスがタフツァを探しに来た。
「フィフノスが、“LIFE”を押し退けて暴れています・・・!!」
「みんな外に出てくれ!
包囲網を空けるな。
僕が引き受ける・・・!!」
LIFE騎士団が再配置されていく。
苦しみもがきながら、フィフノスが砦を出ようとした。
その額に手を置いて、タフツァが砦内へ押し返した。
「どこへ行くつもりだ!」