The story of "LIFE"

第 11 章「究極の魔法」
第 02 節「フォレストリザブルグ」

第 04 話
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護りに徹していては敵の為すがままに翻弄されてしまう。
タフツァ自身はバリアの外へ出ざるを得なかった。

川に近い岩場に立つと、木々の切れ間から空が見えた。

上空に術士が浮遊して、拠点のバリアを狙っているらしい。

魔の眷属に“LIFE”は破れない。
しかし新手の敵だ。

この地へ差し向けられたのは異界師アムゾイル。

彼の狙いはタフツァであって、フィフノス奪還は二の次だった。

魔法に長けた者は付近の力関係を察知する。

強力な術士の居場所がすぐに分かるのである。

タフツァとアムゾイルは、互いを倒すべき標的と捉えた。

突如、鉱岩質のゴーレムが現れ、タフツァのほうへ猛突進してきた。

彼は杖を思いきり振り上げる動作をした。
ゴーレムの腹から背を垂直に貫く柱が立った。

それはストロー状に吸い上げたマグマと、瞬時の冷却だった。

インツァラで吹き飛ばす。
アムゾイルまで巻き込んだようだ。

異界のガーディアンが、まさかこんなふうに倒されるとは思わなかったのだろう。

ロニネに包まれて、心臓を押さえる術士の姿があった。

ゾーで急落させる。
バリアごと大地に叩きつける。

横凪ぎにトゥウィフを放った。

アムゾイルが落ちた地点へ滑走する。

そこには、片腕を地に着き、肩で呼吸する哀れな術士がいた。

「何がしたいんだ、お前は。」

異界師は悔しそうに睨み付けたが、力なくうなだれる。

相当な自信でここへ臨んだらしい。
それがあまりにもあっけなかった。

「よ、よくも、・・・小僧め!」
「実戦経験なしに、特殊な発動だけでずいぶんと思い上がったものだ。」

“LIFE”の魔法陣がアムゾイルを捕らえた。

またしても絶叫と断末魔の叫びが響いてこだました。

「お前自身の“LIFE”を終生、受け続けるがいい!」

タフツァはごく不機嫌そうに言い放つと、フォレストリザブルグの拠点へ帰って行った。

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