第 11 章「究極の魔法」
第 01 節「オルブーム」
戦士ポートルの鉄球が、翼を生やしたボルフマンを叩き落とした。
頭を抱えて足をバタつかせる姿を見かねて、槍兵ダッツが手を差し伸べた。
しばらく転げ回った後、ダッツの足にしがみつき、懐から短刀を出して襲いかかった。
そこをベリオングに討たれた。
力が入り過ぎたと後悔するほどに、遠く遠くへと打ち飛ばす。
落下して地面を転がっていくのを、今度は誰も追わなかった。
ばったりと倒れ込んで天を仰いでいる。
部族の戦士たちも攻勢をかけている。
サザナイアがどんどん敵を倒してしまうので、その後を追うように転戦した。
ファラへの刺客は霊媒師ドマノクだ。
最初、キツネが憑いたような状態だった。
「オーーーン!」
四つ足で跳ねるように接近してくる。
飛び掛かられたので横に薙いだ。
剣にしがみつかれる。
振り切って払う。
軽々と地に足を着いて、更に飛び掛かってきた。
ラナシーヴが呼び出され、ドマノクを掴み倒した。
退避しようとした向きにラナシーヴが迫る。
ドガァと違って加減がない。
横から胸を噛まれた所でモードチェンジする。
筋骨隆々たる魔神が降臨した。
ラナシーヴの顎が外れるほどに押し開かれる。
ファラが魔法陣に還す。
大無刃刀で斬り込んだ。
片手で受け止められる。
持ち上げられ、振り回され、投げ飛ばされた。
ヴィスクが巨大化して挑む。
トゥウィフを帯びた咆哮で後退させる。
躍りかかる。
右から爪の強斬、左からも強斬。
ドマノクの魔導着は斬り裂かれた。
足下をシラルルが襲う。
バランスを崩して大蛇の咬撃を受ける。
二回、三回と執拗に喰らいついた。
ショックスパイクによってシラルルを痺れさせ、飛翔した。
そこへファラが仕掛ける。
剣を構えての飛翔タックルだ。
ドマノクは、自らの飛翔ではなく、ファラに突き上げられて飛ばされた。
少年が速度を上げて更に仕掛ける。
下から振り抜いた剣で、上空まで斬り上げた。
空に向かってドマノクを追い越したシラルルが、今度は大地に向かって急降下する。
憑いた魔神は去ってしまったようで、元の弱い術士に戻っている。
気を失った所をシラルルに飲み込まれた。
地に降りて、地を這う大蛇の体が膨張してきた。
ファラは慌てて魔法陣に戻した。