第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
ヨムニフが進み出た。
「ホッシュタスはまだか。」
黒ローブで顔を隠した、ひ弱そうな術士が、か細い声で答えた。
「黒龍を遣わした。
じきに来るだろう。」
「フィフノスがLIFEの小僧に捕えられている。
ここへ連れ戻せる者はないか。」
異界師アムゾイルが手を挙げた。
「手酷くやられたな。
他の者には手に余ろう。」
不敵な笑みを浮かべ、席を立って行った。
「愛弟子が死んだらどんな顔をするか、実に見物だ!」
哄笑が広がった。
「・・・テンギはどうする?」
ミュネフィが高笑いした。
「ヱイユにやられているんだろう?
アイツを差し向けよう。」
神獣マナゾイフノがバルコニーに身を起こし、飛び立って行った。
「あたしはソマとかいう小娘を連れて来よう。
ここで拷問だね、キャハハハッ。」
「それは名案だ!」
「輪姦にしろ、死ぬまで甚振(いたぶ)れ!」
「最期は火炙(あぶ)りがいいぞ!!」
悪鬼どもが舌嘗(したな)めずりした。
「オルブームにガキどもがタカっているな。
誰か行かないか?」
霊媒師ドマノク、精霊師ベナイザ、幻界師イノイ二スが意を示し、立ち上がった。
ロールウェールの失笑が漏れる。
ガトレーンと黒騎士の総勢が立ち上がった。
ぞろぞろと退席する人列は、数十分にも亘(わた)った。
「・・・これで“LIFE”は終わったな。」
「リザブーグ落城が楽しみだわい、クワッカッカッ!」