The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」

第 68 話
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「血に飢えし亡者よ、身を失いし死者よ!
存分に奪うがいい!
乱世を好む魔及び魔民よ、人心を狂わせ、猛らせ、相争わせるがいい!
我は嘆きこそが、怨嗟(えんさ)こそが快楽(けらく)なり!」
「我も、我も!」
「腐敗を好む蠱魎(こりょう)どもよ、死肉を貪(むさぼ)れ、生き血を啜(すす)れ!
堕落へ誘(いざな)う獣(けだもの)の叫び声で地上を満たせ!
シェブロンどもの血の盃(さかずき)に酔いしれ、その美酒を魔神に捧げようではないか!!」

怒号の如き雷同に城内は割れんばかりとなり、しばし止むことはなかった。

城の外壁に喰らいついた、死ぬに死ねない怨霊ども、死してなお世に未練を有する骸骨どもが、カタカタカタと全身を震わせて騒ぎ立てた。

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