第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
「おっと、お前に進む道はないぜ。」
人の姿に戻ったヱイユが立ち塞がった。
「ここで何をしている?」
ホッシュタスは怒りを露(あらわ)にしたが、不意に逃走を試みた。
「そっちも道じゃない。」
攻撃型ロニネのバインドが、稲妻の如く術士を捕らえる。
「ふ、ふわぁぁぁーーー!!」
恐怖と苦痛に顔が青ざめた。
「なんだ、お前、声が出るのか。」
ヱイユの手元に球体が起こり、ホッシュタスの魔力を奪いながら膨張していく。
それが空に向かって上昇し、被術者の頭上に浮かぶ。
「バルーン」と呼ばれる発動法である。
「気絶するまでそうしていろ。」
ヱイユは“LIFE”の魔法陣にホッシュタスを閉じ込めると、次なる標的を探し飛び立った。