The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」

第 54 話
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かなりの土埃を巻き起こして、テンギの柩車が走行している。

護送する騎士たちが必死に軌道を確保し、周囲を警戒している。

沿道に現れた合成生物、翼人と、剣閃を散らして攻防する姿が目に飛び込んだ。

敵を軌道の外側へ、押し返した所に隙ができてしまった。

そこを空から狙われる。

灰竜ヱイユは低空飛行に転じて、割り込もうとする有翼獣たちを蹴散らした。

「あれは、ヱイユ殿ッ!」

俄(にわか)に騎士たちが勢い付く。
喊声(かんせい)が上がる、怒号が迸る、敵兵が退く。

追って来なければ放っておいて構わない。
今は立ち止まっていることも、翻弄されることも許されないのだ。

テンギは性懲りもなくドシン、ドシンと柩の中で暴れている。

竜族も群がってきた。
彼らは混乱と異変を好むように暴れ狂った。

騎士たちが狙われる前に、竜を雷で撃ち落とす。
風圧で押し潰す。
衝撃で吹き飛ばす。

空へ、陸へと転戦するヱイユを、魔の一族は次第に遠巻きにするようになった。

ふと木陰に目を遣ると、彼が参戦したのを見てそそくさと逃げていく術士がいた。

まだ全回でないホッシュタスだ。

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