The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」

第 38 話
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馬車の中、毛布をかけての車中泊となった。
ノスタムを合わせて六人であり、全員収容できる。

だがヱイユは人の温もりに慣れていない。
遠慮してか、いつものように樹上にいた。

彗星の尾はもう見えなくなっている。

それにしても不思議な夜だ。
灰竜アーダの温もりで眠ろうとする。

ヒユルの死骸を取り込んだ悪魔ミュネフィ=リッドワッドが、次はいつ現れるか。

ソマを護れるだろうか。
否、自身も彼女も、また誰人であっても、襲いかかる悪魔とは雄々しく対峙し、戦い、打ち破るべきである。

「ヱイユくんの席、あるわよ。
中で休んだら?」
「野生の生き物は皆、迫り来る危険を自分で察知して生き抜いているだろう。
俺もそうやって生きてきたのさ。」

ソマが木を登ってきた。
手を掴む。
引っ張り上げる。
抱き止める。

二人はすでに愛し合っていた。

「俺が馬車に慣れないように、お前も夜風に慣れないだろう。」
「・・・うん。
けど、やっと会えたんだから。」

体が、心が、生き生きと高ぶる。
疲れ果てていたことが嘘のようだ。

二人は腕に抱(いだ)き合う悦(よろこ)びに、全細胞が若返り、生命が蘇生するのを覚えた。

アーダが翼を広げて、二人を包んでくれる。
温かい、これなら眠れそうだ・・・。

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