The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」

第 32 話
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ワリヒの二人が植物の葉でできた傘を持ってきた。
フィヲは持参の携帯傘に、最初のアゴー女性と一緒に入り、手をつないだ。

二人のアゴー女性に両手を取られたファラのまわりにワリヒ男性が集まり、サザナイアはジェスチャが通じるかと試行錯誤しながらアゴー女性に語りかけた。

そのまわりをファラの魔獣たちが援護している。

雨に打たれているというのに、賑やかな歓談の声が広がったので、アゴー族の男性たちも様子を見に来た。
最初、訝(いぶか)しそうに見ていた一人に、アゴー女性が、フィヲが、またファラが声をかけると、たちまち笑い声が上がった。

人から人へ、特にワリヒ女性の名前が呼ばれ、村落に歓待の輪が次々と広がっていったのである。

ファラの提案で、荷車の食料を土産物として長老に届けることになった。

ここでワリヒの若者たちは、アゴーへ嫁いだ女性と再会することができた。

出迎えた長老が言う。

『返礼に宴を開こう。
今日は泊まっていきなさい。』

届けた食物の十倍、百倍という食物が振る舞われる。

民族の舞踊が演じられる。

フィヲとサザナイアも着付けてもらい、踊りを教わった。

こうして一夜に民族間の壁、心の距離は解消した。

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