The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」

第 28 話
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長老の木へと続く原住民の深い森に、再び光が差し始めた。

毒と悪夢にうなされたヱイユの眠りにも、久しく見なかった陽が差した。

「・・・パナさん・・・。
いやファラか・・・!!」

二人は実の母子(ははこ)である。
その生命から発する明るさ、強さ、まっすぐな心まで、よく似ている。

彼は起き上がる夢を見た・・・。

せっかくの光を雲が遮(さえぎ)る。
世界は再び蔭(かげ)に沈む。

遠くから、いや近くで、ヒユルの泣き声が聞こえてきた。

『いるのか、どこに・・・!?』

声が出ない。
不安であり、呼吸が苦しい。
胸も締め付けられる。

顔を手で覆って、声を出して泣いているのはヒユルに違いなかった。

だが立ち上がれない。
這うように、寄り添おうとする。

『ヒユル・・・。』

魔天に生を受けても、姿は美しい。
ヱイユは助けてやらねばと思った。

向き合うようにしても、まだ顔が見えない。

肩に触れようとすると、彼女の手の平から、真っ赤な血液が滴り落ちた・・・。

『たす、けて・・・。』

思考が混乱する。
そういえば、ヒユルは死んでしまったのではないか。

『私は、ヒ、ユ・・・。』

血だらけの顔を見たのか、見えなかったのか。

アーダが怯えながら怒声を発している。
現実のようだった。

ヱイユは腕を掴まれて、身動きがとれない。
振り払うこともできない。

ヒユルの、土にまみれた遺体が、確かに動いている。

「お前、何かに操られて・・・!?」

血を拭ったような顔が見えた。
目は虚ろであったが、やがて焦点が定まり、ヱイユの目と合った。

『・・・そんなことを言わないで、助けてあげたのだから・・・。』

不意に腕が握り潰され、鋭い爪が刺さる。
アーダが猛突進した。

初めて自分の力でヒユルを振りほどく。

「死者を弄んだな、貴様は誰だ・・・!!」

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