第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
ポートルの武器は鉄球だが、甲板上では使えない。
剛弓を引き絞って標的を狙っていた。
ブォーンと音を立てて、太い矢が空気を穿(うが)つ。
悪魔を射貫(いぬ)き、翼人を遥か遠方、見えなくなるまで飛ばしてしまった。
鏃(やじり)は砲弾と同じ衝撃と禁術を込めた弾頭、矢羽(やばね)はまるでロケットである。
彼は棒状の物ならば何でも矢弾にできた。
隊列を組んで飛行していた有翼類は散り散りとなり、海へ落ちた者はバシャバシャと溺れた。
女性兵士バミーナもショックガンと爆裂弾を用いる。
これも飛行型の敵に絶大な効果を発揮した。
正午頃、日が高い。
この時、眩しく直視できない方向に、狂暴な巨鳥が船を狙っていた。