第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
ファラもサザナイアも筆記具を持っていなかったが、フィヲの鞄(かばん)には入っていた。
『ザンダへ。
私の竜がリールを誘導するから早く来なさいよ。
フィヲより。』
これを見て他の二人は笑い転げた。
「十分ね。
じゃあ私は・・・。」
ワリヒ族の車が来たようだ。
『ザンダ君。
有翼獣や翼人たちが動き出したわ。
気をつけてね。
サザナイア』
若者たちはヴィスクらとすっかり仲良くなっていた。
「ぼくも手紙を書かせて!」
皆の迎え入れから戻って早々にファラがペンを執る。
『親愛なるザンダ。
ぼくらの戦いを起点に、“LIFE”が全世界に広がることになる。
大変だけど、勝って先生にご報告しよう!
ファラ』
三様(さんよう)の書き方に、ザンダをやる気にさせる全てが込められた。
厳重に守護されて、手紙を託された小竜リールが飛び立っていく。