第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
倒木に腰掛けながら、サザナイアの魔法が話題になった。
「多くの魔法を身につけられましたね。」
「フィヲちゃんと特訓の後、部屋で勉強して、練習したのよ。
シェブロン先生が、ファラ君の時もそうだったって、教えてくださって。」
「昼はルアーズさんに物理戦の特訓をしてもらったんです。
夜は先生の魔導書を学びました。」
「私の場合、魔法使いの発動に比べると、ミニチュアみたいな魔法。
でもちょうどよくて。」
フィヲは終始(しゅうし)得意気(とくいげ)だ。
こうしている間にも三人が全回復するまで大地からのエネルギー供給が行われた。
「アゴー族の村まで、ワリヒ族の皆さんに同行をお願いしたいんです。
ヴィスクたちが護ってくれますし、何より交流のない部族間に行き来が生まれればオルブームも安心です。」
思わずフィヲが言った。
「魔族の侵略っていう大悪を、民族協調の大善に変えるのね!」
サザナイアはこの二人の呼吸と意思がぴったり合っていることがうらやましくもあり、憧れだった。
自分もそこに入りたいと思うのである。
「そうだ、ザンダ君が渡航してくるはずよ。
連名で手紙を書こう。」