第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
二人が攻勢を作ってくれたので、ファラは荷車の青年たちと戦場を離れた。
そしてヴィスク、ラナシーヴ、ニムオーを呼び寄せた。
「彼らがお護りします。
身を守ることに専念してください。」
ニムオーの翼から、衝撃に耐性のあるバリアが生まれ、何重にも辺りを包んだ。
「これで大丈夫!
今は魔族と交戦しないで。」
三人の若者は拳を突き上げてファラに声援を送った。
『捕縛をどうする、あんなにたくさん・・・!!』
駆け戻ってみると、一面は身動きを封じられた竜族、合成獣で溢れ返っていた。
「合成獣にはアンチ・マジックを。
竜族は連れて行こう。」
青と緑、黄土色の竜を戦力に加えると言う。
フィヲはメゼアラムに魔獣を捕らえるのが初めてだった。
「心配いらないよ、きっと力になってくれる。
ぼくの母さんは、精神体の悪魔を操(あやつ)り返したらしい。」
試しに召喚すると、小型に抑えた竜たちはそれぞれに明るい色を放ち、フィヲのまわりを舞い遊んだ。
「あははっ、さっきとは別物ね。」
ニムオーを通して若者たちをこちらへ呼びながら、しばらく様子を見ることになった。