第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
合成獣キマイラが前肢を着き、そのまま腹這いまで倒された。
フィヲがゾー(重力)を使っている。
怯えて身を伏せる若者たちのほうへ、ファラが回り込んだ。
キマイラは動けないが、敵がまだ集結していた。
『トゥウィフ(衝撃)が全方位から飛んでくる。
ロニネでは護りきれない、どうすれば・・・!?』
遠巻きにした翼人たちが矢を放ってきた。
弾く、防ぐ、しかし、きりがない。
「いけ、ニムオー、飛び道具を封じてくれッ!」
そう言ったファラの胸元に、フィヲが飛び込んできた。
口を耳元に寄せてくる。
「なあっ、フィヲ!?」
「・・・アンチ・トゥウィフのロニネを張るのよ。」
「そ、そうだった!」
ファラが実戦でグルガの文字を使ったことなどなかったかもしれない。
それは正確に描かれ、仲間たちを包んだ。