第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
師から弟子へ、連綿と受け継がれた“LIFE”のバトンは、時代時代にあって、分断され、断絶されようとした。
その度(たび)に強盛なる行者が出現して“LIFE”を護法し、深刻な人類危機から世界を救った。
私たちが見、共に歩み描いてきた現代もまた、師から授かって“LIFE”を受持した人間の王者と、その呼び掛けに呼応した偉大な庶民の英雄たちが、身命を投げうって護法を貫いた結果に他ならない。
この世界には何と多くの反“LIFE”が存在し、制度化されていることだろう。
とは言え、厳しい現実のせいにして、時流に任せよう、所詮なるようにしかならないと、無気力・無関心な態度を取るのは、真実の“LIFE”を知らないからだ。
ひとたび“LIFE”の実相を目の当たりにしたならば、我が身に替えても護りたい存在がきっとある。
それを探し出してでも護法に生ききるほうが、探し出さないよりもはるかにいい。
だからこそ忍耐強く、無限の大地に向かって、我が眷属(けんぞく)を呼び出(い)だし続けるのである。