第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
破法者の言には、挫折者・失望者・絶望者・不信者の心を満たす「毒」が溢れている。
しかし毒の処方で重篤な病を治(ち)するように、敗北の苦しみから逃れるため、実に多数の人々が毒を用いようとする。
根本的な解決でないにも関わらず、彼らは毒を求め、依存して生きる。
破法を生業(なりわい)とする売毒者たちは、これをいいことに私腹を肥やす。
抜け出させない仕組みを作り出す。
彼らの処方こそが良薬であるかのように説き、心弱い人々を囲い込むのだ。
こうして破法者、すなわち背信者たちは、人間に生まれて人間の姿をした“悪魔”へと転落していく。
無数の悪魔が大空を遮蔽(しゃへい)した如く、人間社会そのものを悪魔の理論で制度化してしまう。
“LIFE”の実践者が声を発し、長遠(ちょうえん)な時間と労力を費やして聞く耳を持たせ、小さなコミュニティーから始まって全世界に“LIFE”を息衝(いきづ)かせるまで、実に悪魔に制圧された歴史が繰り返されているのである。