第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
古代魔法グルガをディスマに封印して、その術士たちを処刑・追放したリザブーグ王国と、復讐のため地下社会を形成した人々。
テロリズムと武力鎮圧の応酬。
繰り返されるばかりで解決のない、負のスパイラル。
“彼”は諸国を見聞(けんもん)するにつけ、『なぜ』『どうすれば』と問い続けた。
時に苦悶し、立ち尽くし、逃げ出しそうになった。
無数の悪魔が“彼”を蝕(むしば)もうとし、心を破壊しようと苛(さいな)んだ。
それでも“彼”は、問い続けることをやめなかった。
問うとは一体、誰に・・・!?
自身の“生命”に。
他者の“生命”に。
宇宙の“生命”に。
ある時、ただ一つの考えが、願いが、誓いが胸奥(きょうおう)から湧き上がり、やがて“彼”の全存在を高みに引き上げた。
・・・“LIFE”・・・!!
“彼”は歓喜し、躍り上がり、言葉を発した。
友を求め、語り合い、手を取り合った。
人と人とが分かち合える、無上の喜びは、やがて輪となって広がり、大地を潤し、星星に瞬きを与えていった。