The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」

第 04 話
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ヨムニフが、およそ人間の感情として抱(いだ)き得る、最も醜い相(すがた)を現したのは、師ラオンジーウが正統な後継者にシェブロンを指名し、これを助けていくよう弟子一同に命じた時だった。

『なんであんな奴にッ・・・!!』

当時、封印塚の破壊を企てていた彼は、全ての魔法を一瞬に込めるというシェブロンの“LIFE”発動論を、表向きは支持してみせた。

彼はラオンジーウからシェブロンに継承された“LIFE”は無二の力であることを知っていた。

その力なくして動かしがたい法滅の世相も見てきた。

動かす?
何故、変える必要などあるのか?
愚かな人類宿命の帰結として、滅びていけばいいではないか。

滅亡の時こそ、我が古代魔法グルガを中心とした発動が行われなければならぬ。

ヨムニフは、師が歴訪の旅を続けたことになぞらえて、闇の一族を呼び覚まし、結束するため、修行と称して各地へ赴いた。

あまり熱心なのを見て、彼について行く門弟もいた。

師亡き後、シェブロンは苦悩しつつも、ヨムニフに幾度となく繰り返した。

「“LIFE”は純円の如き『円法』だ。
一つの魔法にとらわれていては実現できない。」

そんな時、ヨムニフは決まって嘲笑的な態度で言い放った。

「グルガがなければ“LIFE”とて欠円、『欠法』というわけさ、ぎゃっはっはッ・・・!!」

背を向けて立ち去る後ろ姿に、悪魔のような陰影が付き従っていた。

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