第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 10 節「“LIFE”の一法とは」
この物語は、“LIFE”を綴り、開き、伝えるために、一個の青年時代の生命をして、師と世界から感得した全てを、ファンタジーという無限のキャンバスの上に描いたものである。
まだ向上することを止めていない、全ての読者とともに、第十章の最終節・最終話に至るまで、“LIFE”とは何かを探求し続けることによって、共々に織り成しゆく永遠の物語としたい。
1999 年の秋、ルーズリーフにシャープペンシルで描いたファラの原画から The story of“LIFE”は始まった。
すぐにフィヲの原画が生まれ、第一章第一節を書き上げた。
ザンダを描き、ドガァをあらわすと、物語は第二節、第三節へと進んだ。
広大な宇宙を遍(あまね)く満たした第六天の魔性というものに、青年らしく宣戦布告したのがこの年明け、進学を控えた早春のことだ。
痛快に大勝を博したその後で、魔の全軍から総攻撃とも言うべき反撃を受けていた時のことである。
第二章の空を覆った暗雲は、まさに現実の闘争そのものだった。
当然のことながら、ムヴィアとツィクターはこの時に生まれた。
ヱイユとアーダを描くと、第三章第一節が生まれ、ソマ、タフツァ、シェブロン、ノイ、トーハ、ヴェサ、更にヤエの原画から、第三章、第四章と広がった。
この間、実に就職氷河期の夢追いフリーターである。
思えばヒユルとテンギ、無刃刀ファラは就活作品だ。
しばらくの休載から、念願だったクリエーター職に就くと、当時 3 駅の区間に尽きない構想が生まれ、自分宛メールに書き留めては毎晩小説を綴った。
夢のような 7 年も半ば過ぎ、公私の重責で 2010 年 3 月末に第十章第八節の完成を以って執筆が止まってしまった。
そして 2013 年、プログラマーへの転職が大きく道を開いてくれた。
職業現場を渡り歩く中、自分専用ウェブアプリとしての The story of“LIFE”の構想を練るようになったのだ。
システムが始動したのは 2017 年 5 月連休のことだ。
2018 年 6 月から過去分の修正、同 7 月からは新章を予定していた内容で新節を起こした。
つまり今、この物語は満員の通勤電車の中で綴られていることになる。