第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 09 節「本有(ほんぬ)の発現」
「レヂョウさんに依頼しますか?」
「それがいい。
ラッツピンにも。
収容体制はスヰフォスさんに。」
ウィロは皆、顔と名前が分かった。
少しリザブーグ方面へ行くと、プッゴス部隊のキャンプがある。
そこへ騎乗して赴くことになった。
車両は置いていく。
「15分で戻ります!」
「急がなくていい。
敵に遭ったら引き返せ!」
「はいっ!」
見送ってしばらくすると、プッゴスの定時伝令が来た。
「お疲れ様です!
まもなく衛兵ジスドの部隊が到着します。」
「ミナリィからか、それは助かる。」
「ダジースカイ、バグティムトの部隊と共同作戦になります。」
「そうだな。
今ウィロをキャンプに遣わした。」
「すれ違いましたよ、いい乗馬手です。」
「僕の持ち場も進展させる。
少し長丁場になるだろう。」
「その旨、スヰフォス殿にお伝えします。」
「頼んだよ、無理をするな。」
伝令は辞儀して次のキャンプへ向かった。
『魔族の侵入をメレナティレだけで防げまい。
各拠点を守るのは当然として、放っておけば竜や合成生物が野生化してしまう。
元々潜在していた闇の一族が市街に紛れ込むことも避けたい。』
LIFEの活躍で、ようやく一つになりかけた世界は、魔族によって再び分断されてしまうのか。
『検問、・・・今はそれでいいだろう。
だが、いつまでも野放しにはしない・・・!!』