第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 09 節「本有(ほんぬ)の発現」
「お主、その光は・・・!?」
答える余裕はない。
今はテンギを倒すのみだ。
両手に魔法陣を宿して、片方はガード、片方で撃つ。
連撃も連続防御もできる。
この時、彼は両足の甲にも魔法陣を描いた。
バグティムトの部下たちは、ダジースカイらに“LIFE”の話を聞かせ、隊長を真似て戦闘体勢を整えた。
一対多の、圧倒的攻勢が生まれた。
拳撃、蹴撃、そこへ峰打ちも加わった。
巨大な獲物を捕らえようと、集団で襲いかかった勇敢な祖先たちの戦法である。
「・・・小癪な、ザコ供め・・・!!」
そこへようやく、ウィロの駆る馬車が到着した。
「なんと、テンギを相手に、押しているのか・・・!!」
先まで、理性を失って獣(けだもの)のように猛っていたテンギが、人の言葉を放つようになってきた。