The story of "LIFE"

第 10 章「無量義(むりょうぎ)」
第 09 節「本有(ほんぬ)の発現」

第 26 話
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何本もの腕で土塊を砕き、ついに魔法の使い方を理解した化け物が、その頭部を露(あらわ)にした。

攻撃すれば標的にされてしまう。

最後の力を振り絞って這い上がろうとするテンギに、“LIFE”の魔法陣が容赦なく、厳然と呵責(かしゃく)を加えた。

ジリジリ、バチバチと電撃のように巨体を苦しめるものは、実はテンギ自身の“LIFE”である。

他者の生命を憎み、踏みにじり、奪命(だつみょう)して、破壊に明け暮れてきた報いが、全て本人に返っていた。

とすれば、これくらいで済むはずはない。

そうだ、「声」の力だ。
タフツァ然り、ファラ然り、敵の生命に強く呼び掛けていたではないか。

「我が名はバグティムト!
誇り高きLIFE騎士だ。
お前をリザブーグへ連行する!」

歯噛みして声が出ないテンギに、更なる厳罰(げんばち)が現れた。

「ぐぎやゃあー!
ぐうわぁあー!!」

狂った脳裏に、ファラが残した言葉が、何度も何度も繰り返された。

『お前はそこから出られない』

怒りに激痛を忘れた全力が、ドゥレタの発動となって一帯の地面を歪め、ねじ曲げた。

しかし・・・。

なんと、“LIFE”の魔法陣が大地の暴発エネルギーを吸収して、半径を拡大するとともに、テンギを飲み込むよう、再び地面に引き摺(ず)り込んだ。

恐怖と安堵に脱力するバグティムトの元へ伝令が来た。

「タフツァさんのご一行が、間もなく到着されます!」

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